Pierre Moerlen‘s Gong Live ピエール・モルレーンズ・ゴング(1979)
1) Downwind
(P.Moerlen) 6:57 この曲のみ、特別ゲストにマイク・オールドフィールド(guitar)、ディディエ・マルーブ(sax)が加わり熱演しています。ただし中間部の情感的なパートはステージでの再現は叶わず、バッサリと割愛されてますが、むしろその後のゴングジラに近い、ソリッドなアレンジでカッチリまとめあげられています。 2) Mandrake (P.Moerlen) 7:38 Shamalに収録されていた、叙情的なピエールの名作が再現されます。この曲はドラムをフランソワに交代して、ピエールはシンセを弾き、前に出てきてマリンバソロを披露しています。スタジオ録音ではフルートのパートをボンがギターでアレンジし直し、ピエールのマリンバに受け継がれる様になってます。 3) Golden
Dilemma (H.Rowe) 7:59 アグレッシヴさはスタジオ録音以上で、これぞピエール・モルレーンズ・ゴングの真骨頂ぶり、その後のゴングジラの基盤が伺えます。間奏ではハンスもベースでバリバリとソロった後、メンバー全員が各楽器でワン・フレーズづつ回し合ってとってもイイ感じ!後半のボンのソロもいいぞ!
4) Soli
(H.Rowe) 4:48 前曲同様、ハンスの自作曲作品ではベースをかなり自由に弾かせてもらえてるみたい。これまでゴングのレコーディングにゲスト参加した時はやや静かだったボンもギターを弾きまくってます。
5) Drum
Solo (P.Moerlen) 4:33 タイトル通りリーダー、ピエールのドラムソロ。旧ゴング時代に始まって、オールドフィールドのライヴやスエーデンのバンド、トリビュートに参加時のライヴ盤など幾度となく彼のドラム・ソロは聴けますが、やはり彼らしいフレーズとパターンが存在するようです。
6) Esnuria
(P.Moerlen) 5:13 せめぎ合いの凄さでぜひナマを体験したい一曲。スタジオ録音よりメンバーが少ない分、ボンがサックスのパートもギターで代行したり、フランソワはコンガ、マリンバ、鉄琴と掛け持ちで頑張っている。こういうタイプの曲が得意ワザのバンドなのでしょう。 7) Crosscurrents
(P.Moerlen) 4:50
クレジット漏れミスかもしれないので補足を。レコードジャケットには記してない楽器として、ストリングスっぽいシンセサイザーの音、それにマリンバを誰が弾いているのかの記載が無い。よく聴いてみると、シンセの音とマリンバの音は重複してないところから同一人物でしょう。後からスタジオでオーヴァーダブしてないのなら、ピエールとフランソワのどちらかが弾いてるのでしょうね。また途中から、ベノワのヴァイヴの音が揺れて変化するが、これはおそらく電気的処理が可能なエレクトラ・ヴァイヴを使用してるのではないでしょうか? 大変雰囲気がイイのに、短くフェイドアウトしてしまうのが惜しい!
1979年2月16日のパリ公演、3月11日ロンドン公演の模様を抜粋して収録した、ピエール・モルレーンズ・ゴング初めての公式ライヴ盤。当時のツアー・メンバーはピエール(dr)ベノワ(vib)モルレーン兄弟とハンスフォード・ロウ(bass)に加え、これまでもアルバム録音の助っ人として貢献してきたボン・ロザガ(guitar)とフランソワ・コース(perc)が同行している。一曲目でスペシャル・ゲストにマイク・オールドフィールド(guitar)を迎えているが、この頃はメンバーと彼との仕事も多い。まず本作のライヴ直後の3月31日から5月4日まではオールドフィールドがオーケストラと合唱隊、それにロックバンドの大所帯を引き連れてヨーロッパ・ツアーを行っているが、モルレーン兄弟も打楽器奏者として参加している。その時の模様がヨーロッパあたりのテレビ局で放映されており、日本にも画像がブートレッグで流出しているが、ドラムで張り切るピエールとヒゲをたくわえたベノワの姿をチラリと確認することができる。またツアーの模様は直後にライヴ盤「エクスポウズド」としてリリースされている。更にオールドフィールドは次のスタジオ盤「プラチナム」の録音でも、ピエールとハンスフォードを起用、翌年80年の春にはオールドフィールドはツアー用のバンドを結成するが、ここでもピエール、ベノワ、ハンスフォード、それに「タイム・イズ・ザ・キー」に参加したキーボード奏者のピーター・レマーというピエール・モルレーンズ・ゴングの面々が顔を揃えている。この時の映像が「エッセンシャル」というヴィデオで正式に発売されているので、若き日の彼らの演奏を堪能してください。
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