Expresso U  ピエール・モルレーンズ・ゴング  (1978)

1)      Hevy Tune (P.Moerlen)   6:25

Pierre Moerlen drums,glockenspiel,vibraphone   Benoit Moerlen vibraphoneMireille Bauer marimba   Hansford Rowe bass Allan Holdsworth rhythm guitar
Mick Taylor lead guitar

前作「ガズーズ!」で出しゃばり過ぎた?ホールズワースを何とサイド・ギターに回し、あのミック・テイラーをリードに!この2人(もとソフト・マシーンVSもとローリング・ストーンズ)ならツインリードにして、フルスコアで自由に弾かせればもっとスゴイ作品になったかも?でもそれじゃあ、ホールズワース&テイラーズ・ゴングになっちゃうか!ピエールは激怒するでしょうね。

2)      Golden Dilemma (H.Rowe)   4:54

Pierre Moerlen drums,xylophone   Benoit Moerlen vibraphone
Mireille Bauer marimba   Francois Causse congas
Hansford Rowe bass & rhythm guitar   Bon Lozaga guitar

おそらくファンの誰もが認めるであろう、彼らの代表曲にして、緊迫迫るナンバー。レコードジャケットのクレジットのよれば、作曲者のハンス自らリズムギターを弾いてスタジオ録音したようです。そして、お待たせいたしました!後のゴングジラの重要人物、ボン・ロザガのギターが最後の方で遂に登場します。

3)      Sleepy (M.Bauer)   7:19

Pierre Moerlen drums,   Benoit Moerlen vibraphone,marimba,tambourine,bell
Mireille Bauer vibraphone   Francois Causse congas
Hansford Rowe bass,solo with Dr.Q   Bon Lozaga rhythm guitar
Allan Holdsworth guitar   Darryl Way violin

バウワーの作品。タイトル通り、いつまでも解決しない様な、まるで円周率の計算を果てしなく続ける割り切れないイメージが浮かぶ。ゲスト陣のダリル・ウエイやホールズワースのソロ演奏にも浮遊感がある。中間のハンスのオシャベリ・ベースはナンと言っているのかな?後半はちょっと霧が晴れそうな?

4) Soli (H.Rowe)7:39

Pierre Moerlen drums   Benoit Moerlen vibraphone solo
Mireille Bauer vibraphone   Francois Causse congas
Hansford Rowe bass   Allan Holdsworth guitar

っかりお馴染みとなった、ハンスのうねるベースから始まるこの曲も彼らの代表曲といってもいいでしょう。今回のスタジオ録音のギターはホールズワースですが、この後ライヴ・アルバムが2枚出ており、79年ヴァージョンをボンが、88年ヴァージョンはアーケ・ジーデンと3人のギタリストで楽しめるので、ぜひ聴き較べてみて下さい。

5)      Boring (M.Bauer)   6:26

Pierre Moerlen drums,timpani,tubular bells   Benoit Moerlen vibraphone
Mireille Bauer marimba   Francois Causse congas
Hansford Rowe bass   Darryl Way violin

作曲者バウワー自身のマリンバに様々なパーカッションが重なってイメージが膨らんでゆく作品。ジックリ聴くと、色々なパターンのアンサンブルが架け合わさって構成されている。

途中で一旦ブレイク、ピエールの掛け声のもと、前半とはまた変わった展開で飽きさせない。

なお、レコードジャケットのクレジットには記されていない、グロッケン、ベルトゥリーなどの音も聴こえるが誰が弾いているかはわかりません。

6) Three Blind Mice (B.Moerlen)   4:50

P.Moerlen drums
Benoit Moerlen  vibraphone,tubularbells,glockenspiel,claves,xylophone

Mireille Bauer marimba,vibraphone   Francois Causse congas
Hansford Rowe bass

ベース以外はすべて打楽器で演奏。こういう音楽は打楽器奏者が複数必要なため、なかなか実演するのは容易ではないが、鍵盤打楽器が大活躍する聴き所。特に後半のシロフォンがチョロ、チョロとねずみが動き回る様子ソックリに描かれていて、かの有名な「熊蜂の飛行」の木琴ヴァージョンとでもいいましょうか、ベノワとミレイユの絡み合いに注目。

前々作「砂の迷宮/Shamal」でバンドの主導体制が変わり、前作「ガズーズ!Gazeuse」で打楽器中心のサウンドを確立した為か、本作よりバンド名がピエール・モルレーンのゴング、と改称され、書き下ろしの楽曲もハンスフォード・ロウ2曲、ミレイユ・バウワー2曲、そしてモルレーン兄弟が一曲づつ採用されています。パーカッション・アンサンブルに加えて、更にロックやジャズの楽器との共存世界を作ろうとしたかの様なアルバムです。「ガズーズ!」ほどゲスト陣の演奏は目立っていないので、バンドそのものの音を確認し易いと思います。


Author:ハージェスト